攻略データ
公演名 | 追憶のハロウィンからの脱出(SCRAP) |
公演のスタイル | 公演ホール型(チーム制6人) |
難易度 | ★★★★★★★★☆☆(10段階評価) |
脱出成功率 | 40%(東京ミステリーサーカス、22.7.24参加回 ) |
制限時間 | 60分(所要時間120分) |
特に必要となる力 | 注意力、観察力、推理力(情報分析、洞察力) |
公式ヒント | あり(チーム毎にヒント冊子支給) |
参加料金(税込) | 前売り一般 3,300円 前売り学生 3,000円 ※ハイシーズン料金なし、グループチケットあり ※ゲーム中役を演じる「配役チケット」あり(詳細、記事参照) |
公演情報 | 【公式】リアル脱出ゲーム×名探偵コナン『追憶のハロウィンからの脱出』 |
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※ご注意:お出かけ前に必ず公演情報の公式サイトから「開催期間」「料金」をご確認ください。
※公演のスタイルについては「リアル脱出ゲーム&体験型 謎解きの種類」をご参考ください
注目のポイント
- 過去最高レベルのゲーム演出、物語の登場人物に成りきる臨場感がスゴイ!
- 謎解きではなく推理ゲーム、結婚披露宴会場の限られた空間で事件解決を目指す
- コナンくんや安室さんによるフルボイスの映像演出、完全オリジナルストーリー
-はじめに-
今回の記事は、名探偵コナンとリアル脱出ゲームがコラボした「追憶のハロウィンからの脱出」にチャレンジした攻略レビューをお届けします。
毎年、劇場映画の公開と連動して開催されて来た「コナン脱出」も今年で10周年。リピーターの期待を裏切らない高難度の内容と、名探偵コナンの世界感を肌で感じられる演出は過去最高レベル。記念すべき年に相応しい最高のエンターテイメントゲームに仕上がっていました。
記事では、脱出成功率や所要時間といった攻略に役立つデータや、結婚披露宴会場を舞台にプレイヤーが事件の容疑者になってしまう今回のゲームの特徴や見所など。気になる情報を徹底紹介しています。
下の目次を眺めるだけでも、要点がわかりますので、気になる項目があればチェックしてみてくださいね。
【2022年】リアル脱出ゲームおすすめ、目的別まとめました!
「リアル脱出ゲーム」に、10年間で300回近く参加してみて「これは面白い!」と太鼓判付きのものを紹介。目的別「はじめて遊ぶなら?」「友達を誘うなら?」「難易度ナイトメア級」など、今遊べるおすすめのリアル脱出ゲームのまとめです。
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名探偵コナン×リアル脱出ゲーム2022年「追憶のハロウィンからの脱出」の概要
概要「毒入りワインに倒れる披露宴出席者、真犯人を見つけて容疑を晴らせ!」
「君達なら、この事件の犯人がわかるかい?」
喫茶ポアロを訪れた高木刑事は、コナンと安室に、ハロウィンの季節にとある結婚式で起きた過去の事件を語り始める。
新郎の友人のワイングラスに盛られた毒、倒れる参列者。会場にいた全員が容疑者となる中、第二、第三の事件が起こる。あなたは、披露宴会場にいた目撃者であり、容疑者のひとりだった・・・。
高木刑事の話を聞いて、犯人の推理を始めるコナンと安室。
自らの容疑を晴らすために、真犯人を見つけようと奮闘するあなた。
時間と距離を隔てた2つの視点で進む物語の結末は、はたして――。
「追憶のハロウィンからの脱出」の導入ストーリーは、上のようになっています(公式サイト掲載ストーリを要約)
今回のコナン脱出、最大の特徴は、過去最高レベルに臨場感の高いゲーム演出でした。プレイヤーは結婚披露宴の関係者として会場に居合わせ、目の前で起こる事件を生で目撃することになります。観客参加型の演劇系謎解きイベントにも似ている内容でした。
まさにプレイヤーひとりひとりが物語の登場人物。会場にいる全プレイヤーとスタッフを含めた百人を超える参加者が、物語の中に息づいている個人としてバックボーンが設定され、登場人物になりきります。
しかも誰一人として役が被っていません。この設定にはとても驚きました。また、配役付きチケットを購入したプレイヤーはゲーム中に演技やセリフを言う機会まであります(配役付きチケットの詳細は、後述をご覧ください)
披露宴会場として装飾された会場内の雰囲気も抜群。テーブルに用意されたシャンパングラス等、小物類も手が込んでおり、物語への没入感が高まりました。
そして、犯人の正体を暴くために奔走するゲーム構成がとてもスリリング。今回、全ての問題は謎解きではなく、推理問題になっていました。クイズやなぞなぞといった要素は殆どありません。会場内の証拠品を調査し、情報を分析し、目の前で起こる出来事へ高い洞察力を向け、事件の真相を解明していく内容でした(問題の詳細は、後述をご覧ください)
名探偵コナンはお子さんにも人気の高いコンテンツではありますが、今回の内容は完全に大人向けでした(高校生以上のプレイ推奨)。小中学生は二十歳以上の保護者同伴でプレイできますが、難易度が高く十分に楽しめない可能性があると思います。
所要時間の目安(制限時間、ゲーム構成など)
ゲームの制限時間:60分
解説を含めた所要時間:120分
(公式想定の所要時間:120分)
ゲームの制限時間は「60分」でした。私はグループチケットを購入し、友だち同士6人でプレイしました。問題数は決して多くありませんでしたが、解く為に現場調査が必要だったり、一見関連性が低く見える情報を繋ぎ合わせて正解を導く必要があったりと時間のかかる内容になっていました。
ひとつひとつの問題をチームメンバー全員で考えていく構成でしたが、ある程度の役割分担は必要だったと思います。例えば、会場の調査で写真を撮ってくる人(会場内の撮影可)、チェックポイントへ代表していく人など(今回、チームメンバー全員で揃ってチェックポイントへ行く機会がありません)。そういった連携プレイがスムーズにできた方が効率的な為、グループチケット利用で知り合い同士のプレイの方が、クリア成功率は上がると感じました。
私達は、幸運な事に会場内のトップ通過で最終問題を解き明かすことができました。それでも残り制限時間が「5~7分程度」だった為、それほど余裕があったとは言えません。また、今回はゲームクリア(事件解決)とは別に「事件解明度」というパラメータが存在し、それを残り時間で「100%」にする事ができませませんでした(事件解明度の詳細は、後述をご覧ください)
解説を含めた全体の所要時間は「120分」で、公式で想定されていた所要時間と一緒でした。今回はオープニングやエンディングの映像演出や、概要で触れた「配役チケット」による演技など、時間のかかる要素が多くありました。場合によっては120分を超える回があってもおかしくないかもしれません。
また、演出に関わる事前説明があるため、公演開始時間の10分前(配役チケット購入者は15分前)までに受付をするよう推奨されています。各チームテーブルには、事前閲覧できる情報も用意されており、早めに受付するのがオススメです。時間に余裕をもった参加で、存分に楽しみたいですね。
チケット情報(グループチケット、配役付チケットなど)
(税込) | 前売り | 当日 | ||||
一般 | 学生 | グループ チケット | 一般 | 学生 | グループ チケット | |
通常 チケット | 3,300円 | 3,000円 | 19,200円 (3,200円/人) | 3,600円 | 3,300円 | 21,000円 (3,500円/人) |
特典付き チケット | 6,300円 | 6,000円 | 22,200~ 37,200円 (6,200円/人) | - | - | - |
配役付き チケット | 3,300円 | 3,000円 | 19,200円 (3,200円/人) | 3,600円 | 3,300円 | 21,000円 (3,500円/人) |
特典+配役付き チケット | 6,300円 | 6,000円 | 22,200~ 37,200円 (6,200円/人) | - | - | - |
※ 学生チケット購入時は、入場の際に学生証の提示が必要となります
※ グループチケットは、1~6人で1つのテーブルを貸切り。1人当たり料金は、6人で参加した場合です。特典付き又は配役付きのグループチケットは、該当人数を選択することができます
※ 特典は『お菓子ゲット大作戦』付きマグカップ。淡いピンク色の人気キャラがあしらわれたオリジナルデザインのマグカップに、少年探偵団と一緒に挑む謎が付きます。詳細は公式情報をご確認ください
※間違いがないよう記載しておりますが変更されることもあります。最新のチケット料金については、必ず公式情報をご確認ください
チケットは「前売り・当日」「一般・学生」などで料金が変わります。他のリアル脱出ゲームで見かける「ハイシーズン料金(土日祭日料金)」は今回設定されていませんでした。平日と休日で料金の差はありません。
グループチケットは、1~6人で1つのテーブルを貸切りにできます。6人MAXで参加すると、1人当たり料金が一般チケットより若干安くなりますね。グループチケット以外では、当日、運営側が1チーム最大6人のマッチメイクをします。複数人で参加した場合でも、チームが別々になってしまうことがあり、注意が必要です。
配役付きチケットについて
配役付きチケットは、ゲーム中に特別な役割が与えられます。例えば医者として、被害者の様子を確認するなど。ゲーム演出に直接参加し、セリフを言ったり演技をして、物語の登場人物として特別な臨場感を得られる内容です。
百人の参加者を超える会場で、セリフを言うのは少し緊張するかもしれませんが、私が参加した回では終始賑やかな雰囲気の中、皆さんにこやかに演じておられました。セリフや行動も予め決められているので、難しいこともないと思います。
しかも、通常チケットと料金は変わりません。各回配役付きチケットの販売枚数には上限があるため、ご興味のある方は売切れに注意ですね。
概要のまとめ、注意が必要に感じたこと
ココがポイント
《概要のまとめ》
・披露宴会場で起きた事件を解決する推理ゲーム。全ての参加者が物語上の人物として設定された驚きの作り込み
・高木刑事が過去を回想する演出。コナン&安室とプレイヤー、時間も場所も異なる2つの視点から語られるストーリー
《注意が必要に感じたこと》
・6人1チーム制、複数人で参加してもチームが分かれてしまう可能性あり
※グループチケット購入すると、1~6人で1テーブルを貸切りにできます
・開園時間の10分前までに受付(配役付きチケットは15分前)
※事前説明のほか、チームテーブル上に用意された情報を確認出来ます
・ゲーム中、スマホやタブレットなどWEB端末を使用するシーンあり
※チーム内で最低1台必要。電波状態が悪い場合は、スタッフ対応してもらえます
・小中学生は、20歳以上の保護者同伴の必要があり。未就学児は無料
※保護者もプレイヤーとしてチケット購入必要
難易度や謎解きの特徴は?
特徴「謎解きではなく完全なる推理ゲーム、情報分析と洞察力で勝負」
今回の問題は、全てストーリーに沿った形式で順次出題され、推理が必要となる内容になっていました。クイズやパズルといった一般的な謎解き問題は、ほぼ出題されません。
会場に散りばめられた証拠品を調査したり、得られた情報を分析して推論したり、時には目の前で起こった出来事に注意深く観察の目を向けて、違和感を感じ取るような洞察力も必要となりました。
プレイ時間中、常にストーリーが進行している状態で、随時映像演出や、会場MCによる進行が挟まります。それらの演出や追加情報を確認しながら、プレイすること自体がなかなかの難易度でした。自分たちのペースとは無関係に演出が始めるため、推理や検討が分断されるような感覚があり、集中力が途切れてしまいます。例え、前の問題が解けていなくても、容赦なく次の問題が出題され、積み上がっていきます。問題数決しては多くありませんでしたが、解けていない問題が増えていくと焦りの原因にもなりますね。
途中から、運良く私達のチームは問題を解くスピードが会場内トップになり、気が付いたことがありました。それは、物語の進行に大きく影響する一部の演出は、どこかのチームが該当の問題を最初に解き明かすことで始まるようセッティングされているということです。トップ通過すると、問題を解くペースと会場演出が一致するので、考えがまとまりやすかったです。
ゲーム構成上、一つひとつの問題をチームメンバー全員で考える事になりましたが、会場調査を手分けしたり、情報量が多い場合は手分けして内容を確認するなど、ある程度の役割分担は有効だったと思います。
また、情報共有も大事になりますね。資料的なものが手には入ったら、誰かが代表して読み上げるなど、足並みを揃えていくことが大切。テーブル上の使っていないアイテムは一端、テーブルの下に片付けてしまった方が、資料を共有しやすかったです。
どうしても解けない問題がある場合は、チームテーブル毎にヒント冊子も準備されています。ヒントの活用で事件解決の直前まではたどり着けるように調整されています。チームメンバー全員の了承のもと、利用するのも手段のひとつになりますね。
終盤の謎「事件解決+事件解明度100%を目指せ!」
今回、ゲームの達成状況は「事件解決の成否」に加えて、「事件解明度0~100%」で示されました。ゲームクリアの条件は「事件解決」を成功したかどうかになりますが、コナンくんや安室さんと並ぶ名探偵になるため(完全クリア)には、「事件解決の成功」かつ「事件解明度100%」を達成する必要がありました。
事件解明度は、解き明かした問題数によって徐々に積み上がっていきます。私達は事件解決することはできましたが、事件解明度は90%に留まりました。私達が参加した回、全25チーム中、100%を達成できたチームはいませんでした。攻略にはとても高い洞察力が必要になると思います。気が付いた違和感を放置せず、どこまで深く追求できるかがポイント。
しかし、あくまで事件解決が最優先です。どのタイミングでどの程度考察に時間をかけるかはセンスも問われるかもしれません。制限時間が迫る緊迫した雰囲気が、100%達成の難易度を上げている要因にもなっていました。
また、直接的にはネタバレになるため書けませんが、リアル脱出ゲームの一般的な攻略のコツが、今回の事件解決には特に有効だったと感じました。全てが今回の内容にあてはまるワケではありませんが、それらをまとめた過去記事もあります。気になる方はチェックしてみてください(特定公演のネタバレをするものではありません)
【脱出成功率UP】リアル脱出ゲーム攻略パターン、ネタバレ分析
リアル脱出ゲームには、攻略のパターンがある!?リアル脱出ゲームを代表とする「体験型謎解き」によくありそうな「パターン」を紹介しながら、クリア成功率を上げるコツについて書いています。謎解き「あるある」としても楽しめる作りになっています!
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脱出成功率、攻略コツまとめ
ココがポイント
《脱出成功率》
・事件解決(クリア成功率):40%
・事件解明度 100%達成:0チーム
※2022.07.24 東京ミステリーサーカス、筆者参加回(全25チーム)の結果。筆者参加は、公演スタート直後の週末で、上級者の参加に偏っていた可能性があります。体感的には、「クリア成功率20~30%」でもおかしくない難しさでした
《攻略のコツまとめ》
・現場調査や情報量が多い証拠品は、手分けして内容を確認しよう
・手に入った追加資料の内容は皆で情報共有しよう
※誰かが代表して読み上げるのも有効、テーブル上の使わないアイテムはテーブル下に片付けよう
・事件解決の為には、一般的なリアル脱出ゲームの攻略のコツも有効
・事件解明度100%を達成するためには、高い洞察力で違和感に気が付こう
実際に遊んでみたリアルな感想
感想「過去最高レベルの臨場感高い演出、会場へ一歩足を踏み入れた瞬間から始まる」
今回プレイした感想を簡潔にまとめると、「間違い無く今年プレイしたリアル脱出ゲームの中で最高に楽しく、わくわくする体験」でした。
ゲームが開始する前から演出は始まっており、会場に一歩足を踏み入れたその瞬間から物語が動き出したように感じました。所要時間は120分ですが、実際はそれ以上の体験時間があったと思います。
参加者全員が、一人ひとり別の登場人物として物語の中に存在する驚きの設定は、他のどのリアル脱出ゲームでも類を見ない会場一体感と没入感を演出していました。制作のSCRAPさんは、最近、プレイヤーが演者と直接やり取りする演劇型の謎解き・推理ゲームを開催していますが、その経験で得たノウハウを集客が見込めるコナン脱出に最大限生かしてきた印象もありました。
また、高木刑事が過去を回想する設定で語られるストーリー演出にも妙があり、間接的にコナンくん&安室さんとプレイヤーの推理対決を実現させていたと思います。高木刑事の回想と、過去の披露宴会場(プレイヤーとしての現在)がオーバーラップしていくような演出もとても格好良く、名探偵コナンらしい映像や音響の使い方も相俟って鳥肌が立つシーンもありました。
注意点として、今回の内容は、謎解きをしたい方の期待には沿っていません。完全なる推理ゲームで、脱出ゲームとも言えません。ここ数年、コナン脱出は推理ゲームとして印象を強くしており、リアル脱出ゲームの中でも特別な位置づけになっていると思います。
また、2022年春に公開された劇場映画「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」の後日譚とアナウンスされていますが、高木刑事がメインキャラとして登場する以外は、映画との関連性は低い内容でした。ですが、コナンくんや安室さんのフルボイスで描かれる今回だけの特別なストーリーは、ファンの期待に十分応える内容だったとも感じました。
名探偵コナンファン、リアル脱出ゲームファン、過去のコナン脱出をプレイしたことのあるリピーター、全ての人に常に新鮮で驚きの体験を提供し続けて来たコナン脱出ですが、2022年新作も期待を裏切らない、それ以上の内容だったと思います。
それでは、最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!