攻略データ
公演名 | 怪人眠るオペラ座からの脱出(SCRAP) |
公演のスタイル | 公演ホール型(6名/チーム) |
難易度 | ★★★★★★★☆☆☆(10段階評価) |
脱出成功率 | 62%(東京ミステリーサーカス、23.04.23筆者参加回 ) |
制限時間 | 70分(所要時間105分) ※公式の想定時間:120分 |
特に必要となる力 | 注意力、観察力、情報分析力、ひらめき力 |
公式ヒント | あり(チーム毎にヒント冊子支給) |
参加料金(税込) | 前売り一般(平日)3,600円 前売り一般(土日祝)3,900円 ※当日券、グループチケット、平日U22団員割引有り(詳細、記事参照) |
公演情報 | リアル脱出ゲーム「怪人眠るオペラ座からの脱出」 |
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※ご注意:難易度は筆者の主観になります。お出かけ前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください
※公演のスタイルについては「リアル脱出ゲーム&体験型 謎解きの種類」をご参考ください
注目のポイント
- フランスの作家ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』を題材にしたオリジナルストーリー
- 100年の歴史を感じさせるオペラ座の秘密を紐解くミステリアスな展開と謎解き
- オペラ座を再現した絢爛(けんらん)な会場装飾や、オペラの歌声響く特別な演出
-はじめに-
今回の記事は、オペラ座の怪人を題材にしたリアル脱出ゲーム「怪人眠るオペラ座からの脱出」にチャレンジした攻略レビューをお届けします。
醜い顔を仮面で隠した「ファントム」とオペラ座の「歌姫」の悲哀を描く原作。今回のリアル脱出ゲームは、そんな「オペラ座の怪人」を題材に絢爛(けんらん)な歌劇の世界と、原作作品の持つミステリアスなイメージに相応しい謎解きを体験することができました。
記事では、難易度(脱出成功率)や所要時間といった攻略に役立つデータや、歌劇の要素を取り入れた演出の見所、謎解きの特徴など。気になる情報を徹底紹介しています。参加検討にお役立てください。
下の目次を眺めるだけでも、要点がわかりますので、気になる項目があればチェックしてみてくださいね。
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リアル脱出ゲーム「怪人眠るオペラ座からの脱出」の概要
概要「オペラ座の怪人が残した遺書、舞台劇さながらの演出に特化した内容」
オペラ座の"秘密のパーティー"に招待されたあなた。
そこで支配人から驚くべきニュースが明かされる。
かつて奇怪な事件を起こし人々を脅かした怪人の遺書が発見されたという。
支配人が遺書を開封しようとした次の瞬間、100年前に死んだはずの怪人の声が響いた。
封鎖されてしまう劇場。
ここから出る条件は、劇場に眠る怪人の指輪を見付けること――。
「怪人眠るオペラ座からの脱出」の導入ストーリーは上のようになっています(公式サイト掲載ストーリーを要約)
今回のリアル脱出ゲーム、最大の特徴は、演出に特化した舞台劇さながらの物語性にありました。
オペラ座を再現した装飾が施された会場は、豪華さと怪しさが漂う雰囲気に。会場スクリーンの映像を利用した奥行きの感じられる視覚効果や、舞台(ステージ)を彷彿させる美術装飾に、これから何が始まるのかと期待感が高まりました。事前説明に配布される用紙も「秘密のパーティーの招待状」を模したデザインで、細部まで手が込んだ作り込みが感じられました。
実際にゲームが始まると、キャストさんが演じるオペラ座の支配人や歌姫が登場。芝居かかったセリフ回しや、歌劇を取り入れた演出によって、物語にぐんぐん引き込まれていきました。特にオペラ歌手の歌声響く演出は必聴です(通常公演では録音音源、特別公演ではプロの生歌が披露されます。特別公演の詳細は、後述をご覧ください)
また、謎解きも重厚な世界観に相応しい内容でした。怪人が残した暗号を解き明かしていく設定で、手持ちの資料や会場装飾等から必要な情報を読み解く「情報分析」がポイントとなる問題が多かった印象です。怪人と歌姫の手紙のやり取りといった原作要素や、音楽に関連した小道具を取り扱う事もあり、ミステリアスな物語と演出にとても良くマッチしていていました(謎解き問題の詳細は、後述をご覧ください)
所要時間の目安(制限時間、ゲーム構成など)
ゲームの制限時間:70分(演出込み)
解説を含めた所要時間:105分
(公式の想定所要時間:120分)
ゲームの制限時間は「70分」でした。一般的なリアル脱出ゲームでは制限時間「60分」がスタンダードで、他と比べて10分長い設定がされていました。これはゲームプレイ中の要所で、歌劇要素を取り入れた演出が行われるためで、問題のボリュームは、一般的なリアル脱出ゲームと変わらなかったと感じました。
出演者全てが物語の登場人物のため、ゲームスタート前の注意事項は、録音音声による案内になっていました。終了後の解説もコンパクトにまとめられており、全体の所要時間は105分と他と比べても短くなっていました。制限時間は長め設定なのに、全体の時間が短かったのでちょっと意外でした(会場の状況によってはそれ以上かかることもあります。参考程度にご覧ください)
プレイ形式は6人1チーム。テーブルと椅子が用意され、ゲーム中は着席した状態が主でした。但し、ゲームプレイ中の要所では、度々チェックポイントへ向かう必要がありました(チームメンバー全員で行く必要あり)。テーブルは決して広くなく、荷物を置くスペースも限られている為、身軽な状態で参加するのがいいですね(東京ミステリーサーカスでは、大きな荷物を預かる有料クロークあり)
チケット情報(グループチケット、U22団員割引など)
(税込) | 前売り | 当日 | ||
平日 | 土日祝 | 平日 | 土日祝 | |
一般 | 3,600円 | 3,900円 | 3,900円 | 4,200円 |
一般グループ※1 | 19,800円 (3,300円/人) | 21,600円 (3,600円/人) | 21,600円 (3,600円/人) | 23,400円 (3,900円/人) |
U22団員割引※2 | - | 1,950円 | - | |
U22団員グループ割引※2 | - | 10,800円 (1,800円/人) | - |
※1 グループチケットは、1~6人で1つのテーブルを貸切り。1人当たり料金は、6人で参加した場合です
※2 少年探偵団会員かつ22才以下の平日限定。初回摘要時、会場受付で生年月日のわかる身分証明書の提示必要。グループチケット購入時は、参加者が全員がU22団員条件を満たしている必要あり。詳細は公式情報をご確認ください
※間違いがないよう記載しておりますが変更されることもあります。最新のチケット料金については、必ず公式情報をご確認ください
チケットの種類は「前売り・当日」「平日・土日祝(大型連休期間含む)」などで料金が変わります。グループチケット以外では、当日、運営側が1チーム最大6人のマッチメイクをします。複数人で参加した場合でも、チームが別々になってしまうことがあり、注意が必要です。
グループチケットは、1~6人で1つのテーブルを貸切りにできます。6人MAXで参加すると、1人当たり料金が一般チケットより若干安くなりますね。
また今回、ゲームプレイ中の演出でプロの生歌が披露される「特別公演」が複数日設定されています(通常公演は、録音音源)。特別公演の特典としてチケットが「限定デザイン」になる他、二回目以降のプレイヤーを対象とした「リピートチケット(料金一緒)」の販売があります。公演日は限定されますが、通常前売り+200円でお得感がありますね!
U22団員割引について
「少年探偵団※」の会員で22歳以下の方は、平日の当日券が半額になります。
※リアル脱出ゲームを制作・運営するSCRAPの有料会員(月額330円、又は年額3,300円)。詳細は公式情報をご確認ください
対象チケット購入後、初回適用時の会場受付で生年月日を確認できる身分証明書の提示が必要。以降は、会員専用ページに「U22」のスタンプが表示され、他の公演も受付時にスタンプを提示することで当日券半額が摘要されるようになります。
以前販売されていた学生チケットの券種は無くなった為、注意が必要ですね。
【概要のまとめ、注意が必要に感じたこと】
ココがポイント
《概要のまとめ》
・小説「オペラ座の怪人」を題材にドラマチックな物語性を重視した謎解き
・オペラ座を再現する豪華装飾や、歌劇の要素を取り入れた演出で高い没入感
※特別公演ではプロの歌手による演出あり(詳細はこちら)
《注意が必要に感じたこと》
・6人1チーム制、複数人で参加してもチームが分かれてしまう可能性あり
※グループチケット購入すると、1~6人で1テーブルを貸切りにできます
・各チーム毎のテーブル狭く、手荷物は少な目に
※有料クロークあり(東京ミステリーサーカス)
・小学生以下の参加は18歳以上の保護者同伴が必要(未就学児は無料)
※保護者の方もプレイヤーとしてチケット必要
難易度や謎解きの特徴は?
特徴「オペラ座に仕掛けられた秘密の暗号を解読していく」
今回の謎解きは、怪人が残した暗号を解読していく設定で、手元に配布される資料を読み解いたり、会場に散りばめられた情報を集めて解き明かしていく「情報分析」にポイントのある問題が多かった印象です。
そのため、6人のチームメンバー全員で情報共有をしていくことが特に大事になりました。序盤に手分けして取り組む小問題がありましたが、以降は6人で協力して1つの問題に取り組んでいく機会が多く、問題文や配布資料の内容は、代表者が読み上げるなど、メンバーの足並みが揃う工夫をすることで、展開がスムーズになりました。
オペラ座の世界観にマッチした小道具を取り扱う機会も度々ありました。そういった小道具を利用したパズル系の問題では、ピースの奪い合いにならないように協調性を持ったプレイも意識したいですね。
問題に躓いてしまった場合は、チームテーブル毎にヒント冊子が用意されていました。ヒントは問題ごと、段階式になっており、必要な部分だけを閲覧することができます。ヒントの活用で最終問題までは、たどり着けるようにゲームバランスがとられています。先に進めなくなってしまった場合は、チームメンバー全員の了承のもと、活用した方がゲーム全体の満足度が上がると思います。
最後の謎「100年の歴史を紐解く、情報分析がポイント」
今回、情報分析系の問題が多いことから、手に入る用紙類がとても多かったです。大小さまざまなサイズ、書かれている文章量も多め。整理整頓必須ですが、それにしても後になって全てを振り返るのは大変な量です。
そして予想通り、終盤の展開では、そういった手持ち資料の内容を総動員して考える必要がありました。チームメンバーの誰かの頭の片隅に、必要となる情報の片鱗が残っている状況が理想ですね。慌てず、目の前の情報を租借しながら中盤までのプレイをしていくことが、脱出成功率を高めるコツかもしれません。
また、ゲームプレイ中に度々挟まる歌劇の演出によって、集中力が途切れがちになります。目の前の問題も歌劇の内容も全然頭に入ってこないこともあるかもしれません。しかし、プレイ中のそういった演出は、オペラ座内の状況変化も示唆していました。
変化した状況と、資料情報を組合わせて戦略的に考えるのが最後の問題のポイントとなりました。頭を切り替えて、歌劇演出を楽しむこと自体が、攻略のコツになるかもしれませんね。
【難易度の目安(脱出成功率)、攻略コツまとめ】
ココがポイント
《脱出成功率》
・脱出成功率:62%(8チーム中、5チーム成功。2023.04.23 東京ミステリーサーカス 筆者参加回)
※私が参加した回は、公演スタート直後の週末かつ参加チーム数も少なく、リアル脱出ゲームに慣れたプレイヤーの参加に偏っていた可能性があります。体感的には脱出成功率30%以下でもおかしくない難しさでした
《攻略のコツまとめ》
・チームメンバー全員で足並みを揃えながら情報共有しよう
※問題や資料情報は、代表者が読み上げるとスムーズ
・パズル系の問題ではピースの奪い合いにならないよう譲り合おう
・追加で入手する用紙類が多い。整理整頓必須
※後で必要な情報を振り返ろうとすると大変な量。情報を租借する時間も大事
・歌劇演出では、オペラ座の状況変化を把握しよう
※ゲーム中に始まる演出で集中力途切れがち、頭を切り替えて楽しもう
実際に遊んでみたリアルな感想
感想「原作の怪しく悲しい世界観に没入する体験、重厚な物語に相応しいミステリアスな謎解き」
「オペラ座の怪人」のタイトルは聞いたことがあり、興味もあるけれど、古典作品の鑑賞はちょっと敷居が高いな・・・と、そんな風に感じられている人も多いかもしれません。
今回のリアル脱出ゲームでは、原作の持つイメージや雰囲気を大切にしながら、取っつきやすく分かりやすい「エンターテイメント作品」に仕立てられていました。妖艶で怪奇、荒々しくも切ない世界観をオリジナルストーリーで再構築。この公演をキッカケに原作へ興味を持たれる人も多いかもしれない。そんな風に感じさせてくれる内容でした。
もちろん、原作ファンも楽しめる要素がふんだんに盛り込まれていました。怪人と歌姫の手紙のやり取りを彷彿とさせるゲーム構成には胸が熱くなりましたし、秘密の通路といった設定は、オペラ座の裏には隠された世界が広がっているかもしれないと、原作と同じように想像力を掻き立てられました。
何より、舞台歌唱をリアル脱出ゲームで体験できる特別な機会ですね。オペラをイメージした音響演出や、戯曲っぽいセリフ回しは一見の価値あり。大仰に芝居かかった演技も世界観に相応しく、思わず鳥肌が立ってしまうシーンが幾つもありました
出題される謎解き問題も、とって付けた感が一切なく、百年の歴史を経て、不気味な怪人が仕掛けたミステリアスな謎解きに自然と巻き込まれていきました。余韻を残したまま終わっていくストーリーなど、原作のオマージュが端々にまで感じられ、今回のディレクターさんは「オペラ座の怪人」がめちゃくちゃ好きなのだろうなあと、製作者サイドの情熱やこだわりも伝わってきました。
現在のところ「東京ミステリーサーカス」だけの限定開催になっていますが、もしかしたら今後、追加公演や他の地域での開催もあるかもしれませんね。
それでは最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!