攻略データ
公演名 | 黒鉄の海中研究所からの脱出(SCRAP) |
公演のスタイル | 公演ホール型(6名/チーム) |
難易度 | ★★★★★★★★☆☆(10段階評価) |
脱出成功率 | 20%(東京ミステリーサーカス、23.07.09筆者参加回) |
制限時間 | 公表なし(所要時間120分) ※制限時間は、ゲーム進行中に告げられます |
特に必要となる力 | 注意力、聴力、情報分析力、ひらめき力 |
公式ヒント | あり(チーム毎にヒント冊子設置) |
参加料金(税込) | 前売券 3,400円 当日券 3,700円 ※ミッション付チケット、グループチケット、平日U22団員割引あり(詳細、記事参照) |
公演情報 | 【公式】リアル脱出ゲーム×名探偵コナン『黒鉄の海中研究所からの脱出』(コナン脱出) |
※スマートフォンでご覧の方は、攻略データを左へスライドできます
※ご注意:難易度は筆者の主観になります。お出かけ前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください
※公演のスタイルについては「リアル脱出ゲーム&体験型 謎解きの種類」をご参考ください
注目のポイント
- 劇場版名探偵コナン「黒鉄の魚影」の後日譚を描くオリジナルストーリー
- 音による「セキュリティシステム」を駆使して解き明かす推理系問題
- ミッション付きチケット購入で、コナン脱出を遊び尽くす追加要素が盛り沢山!
-はじめに-
今回の記事は、名探偵コナンとコラボしたリアル脱出ゲーム「黒鉄の海中研究所(ラボラトリーオルカ)からの脱出」にチャレンジした攻略レビューをお送りします。
毎年、春に公開される名探偵コナンの映画とリアル脱出ゲームがコラボする大人気シリーズが今年も開催。映画で活躍した「灰原」さんをキーパーソンに、今回の為のオリジナルストーリーと、名探偵コナンのアニメ世界に没入できる推理系の問題を楽しむことが出来ました。
記事では、脱出成功率(難易度)や所要時間といった攻略に役立つデータや、音声データを用いて情報分析を行う今回の問題の見所や特徴など、気になる情報を徹底紹介しています。参加検討にお役立てください。
下の目次を眺めるだけでも、要点がわかりますので、気になる項目があればチェックしてみてくださいね。
【2023年】リアル脱出ゲームおすすめ、目的別まとめました!
「リアル脱出ゲーム」に、10年間で300回近く参加してみて「これは面白い!」と太鼓判付きのものを紹介。目的別「はじめて遊ぶなら?」「友達を誘うなら?」「難易度ナイトメア級」など、今遊べるおすすめのリアル脱出ゲームのまとめです。
続きを見る
名探偵コナン×リアル脱出ゲーム「黒鉄の海中研究所からの脱出」の概要
概要「全プレイヤーが物語の登場人物、没入感の高い推理系イベント」
“音”によるセキュリティシステムの開発が行われている最先端研究施設「ラボラトリー・オルカ」
実用に向けた試用実験に、あなたは関係者として招待されていた。招待客の中には阿笠博士や、同行したコナンと灰原の姿も。
実験は順調に進んでいたように見えたが、突如館内に警報音が鳴り響く。駆けつけた職員たちが目にしたのは、実験中に姿を消した灰原だった。
「私、ここで……何してるの?」
彼女は記憶を失い、何者かによって重要な研究データが盗み出されていた。
彼女が記憶を失った理由は、そして、消えたデータの行方は――。
「黒鉄の海中研究所からの脱出」の導入ストーリーは上のようになっています(公式サイト掲載ストーリーを要約)
2023年、今年のコナン脱出の特徴は、大きく2つありました。
・全プレイヤーが物語の登場人物になる参加型劇場に近い演出
・音声データを情報分析する推理系の問題
プレイヤーのいる会場は、ゲームの舞台となる「海中研究所(ラボラトリー・オルカ)」のとあるホール(部屋)という設定。装飾は控えめでしたが、オープニングやエンディングでは照明や映像演出によって、海の中の研究所に相応しい雰囲気が感じられました。
今回、全プレイヤー(チーム)に対して配役が決まっており、場合によっては物語の進行中にセリフを言うプレイヤーもいました(セリフ用紙の読み上げ)まさに、参加者も一緒になって物語を作り上げていく劇場イベント。名探偵コナンの世界に入り込む臨場感や没入感がとても高い内容でした。
※ミッション付きチケットは、昨年行われた「配役付きチケット」のバージョンアップと公式サイトで表現されていますが、セリフのある配役になるとは明記されていません。セリフのある配役は、当日の受付でチームナンバーによって決まっているようでした(ミッション付チケットの詳細は、後述をご覧ください)
謎解きの内容は、最初から最後まで全て推理系の問題。一般的なクイズやなぞなぞは一切出題されませんでした。特に今回、導入ストーリーでも触れられている「音によるセキュリティシステム」が重要な役割を果たします。音を解析し、得られた情報から推理をする問題が多く、情報分析の比重がとても高い内容でした(謎解き問題の詳細は、後述をご覧ください)
映画「黒鉄の魚影」の後日譚となっており、映画で活躍した共通のキャラクターが登場します。特に今回の物語では灰原さんが、クローズアップ。映画ストーリーとの関わりは少なめですが、録り下ろしボイスによるコナンくんとの絡みもたっぷり描かれ、ファンに嬉しい内容でした。
所要時間の目安(制限時間、ゲーム構成など)
ゲームの制限時間:公表なし
※ゲーム進行中に、制限時間が告げられます
解説を含めた所要時間:125分
(公式の想定所要時間:120分)
今回、ゲームの制限時間が公式サイト等で事前に告知されていません。制限時間は存在しますが、物語の進行に合わせてゲーム中にプレイヤーに告げられる方式でした。但し、解説を含めた全体の所要時間の想定は「120分」で、一般的な他のリアル脱出ゲーム(制限時間60分)と一緒になるため、プレイ時間の配分も近いものが予想できますね。
ゲームスタート前に原作設定や用語についての説明時間はありませんでした。プレイに関わる注意事項や、今回の肝となる「音によるセキュリティシステム」の操作方法なども、物語の進行中に告げられました。公演開始時間を向かえると、オープニング演出が自然に始まっていきます。参加型劇場のように臨場感に拘った演出かつ、誰もが知る「名探偵コナン」だからこそ出来る内容だったと思います。
ゲームプレイ中、途中報告やアイテム類を取りに行くなど、会場内に幾つかチェックポイントがありました。チームメンバー全員で行く必要があるとされていた箇所も、私が参加した回は混雑によってゲーム進行に支障が生じたため、途中から代表者1名以上に変更されました。ゲーム中の移動は、出来るだけ少ない方がスムーズになりますね。当日の案内に従い、チェックポイントへ行く人数を最少にすると、効率的になると思います。
チーム毎に、テーブルと椅子が用意されていました。荷物を置くスペースが限られている(テーブル下に荷物かごあり)ため、身軽な状態で参加するのがオススメです。テーブルは狭めでしたが、今回、大きく用紙類を広げて作業する機会は無く、さほど不自由は感じませんでした。
所要時間の想定「120分」に対して、私が参加した回は「125分」と若干はみ出して終了しました。演出の一部が、会場MCさんや、スタッフ、プレイヤーによるセリフ回しで行われていき、進行の遅れが発生しやすい状況でした。他のリアル脱出ゲームでは120分かからず全体が終了することも多いですが、今回は120分以内に終わることは想定しにくいと思われます。全体の所要時間は120~130分程を見込んでおくのが安心です。
また、ミッション付きチケット購入者は、ゲーム終了後に会場で行う必要のある追加問題があります。これはプレイに5分程度かかるため、上の所要時間にプラスして考慮する必要がありますね(ミッション付チケットの詳細は、後述をご覧ください)
チケット情報(グループチケット、平日U22団員割引など)
(税込) | 前売り | 当日 |
一般 | 3,400円 | 3,700円 |
一般グループ※1 | 18,600円 (3,100円/人) | 20,400円 (3,400円/人) |
U22団員割引※2 | - | 1,850円 |
U22団員グループ割引※1,2 | - | 10,200円 (1,700円/人) |
ミッション付きチケット※3 | +3,000/人 | - |
※1 グループチケットは、1~6人で1つのテーブルを貸切り。1人当たり料金は、6人で参加した場合です
※2 少年探偵団会員かつ22才以下の平日限定。初回摘要時、会場受付で生年月日のわかる身分証明書の提示必要。グループチケット購入時は、参加者が全員がU22団員条件を満たしている必要あり。詳細は公式情報をご確認ください
※3 ミッション付チケットは前売りのみの販売。ゲーム本編のプレイ中や終了後に追加ミッションの体験、オリジナルグッズ付。詳細は後述をご覧ください
※間違いがないよう記載しておりますが変更されることもあります。最新のチケット料金については、必ず公式情報をご確認ください
チケットの種類は「前売り・当日」で料金が変わります。他のリアル脱出ゲームで設定されている「土日祝(ハイシーズン)料金」の設定はありません。グループチケット以外では、当日、運営側が1チーム最大6人のマッチメイクをします。複数人で参加した場合でも、チームが別々になってしまうことがあり、注意が必要です。
グループチケットは、1~6人で1つのテーブルを貸切りにできます。6人MAXで参加すると、1人当たり料金が一般チケットより安くなりますね。
また、今回ゲーム本編のプレイ中や終了後に追加ミッションの体験や、オリジナルグッズが手に入る「ミッション付きチケット」の販売があります。販売は前売り券のみ。グループチケットの場合も、+3,000円/人の追加料金で希望人数分(1~6枚)の購入をすることが可能です(内容の詳細は、後述をご覧ください)
購入画面で一般チケットやグループチケット選択後、ミッション付きチケットの枚数を選択。一般チケットやグループチケットの枚数を変更しないように注意(合計金額をよく確認することを推奨します)
U22団員割引について
「少年探偵団※」の会員で22歳以下の方は、平日の当日券が半額になります。
※リアル脱出ゲームを制作・運営するSCRAPの有料会員(月額330円、又は年額3,300円)。詳細は公式情報をご確認ください
対象チケット購入後、初回適用時の会場受付で生年月日を確認できる身分証明書の提示が必要。以降は、会員専用ページに「U22」のスタンプが表示され、他の公演も受付時にスタンプを提示することで当日券半額が摘要されるようになります。
以前販売されていた学生チケットの券種は無くなった為、注意が必要ですね。
ミッション付きチケットについて(追加問題、オリジナルグッズ付き)
料金 | チケット代金+3,000円/人 ※前売りのみ販売 | |
特典内容 | ゲームプレイ中 | ・ゲーム本編プレイ中に追加ミッション有り ※本編のゲーム進行及び脱出成功・失敗に影響なし |
ゲーム終了後の会場 | ・会場内に隠された暗号のかけらを集めて解く問題 ※会場内で解く必要あり(所要5分程) ※キーワード報告で限定グッズ「ビジュアル缶マグネット」 | |
ゲーム終了後の自宅 | ・限定グッズ「ラボラトリー・オルカ採用試験付きクリアケース」 ※自宅で挑戦できる謎解き問題付き ※会場在庫がない場合、後日自宅へ郵送 |
間違いがないよう記載しておりますが、変更の可能性もあるため必ず公式情報もご確認ください
ミッション付チケットは、上掲表のように、限定グッズと追加謎解き問題を楽しむ事ができる内容です。ゲームイベントの進行に合わせて、チャレンジできる内容が複数あります。
ゲーム本編プレイ中の追加ミッションは「少年探偵団」「鈴木園子」「安室透」「沖矢昴」の誰かから極秘ミッションが届き、完遂することでそのキャラクターからのお礼メッセージを受取ることが出来る内容。内容はキャラによって異なり、本編には一切関係しないオマケ要素です。
ゲーム終了後の追加ミッションと、自宅でプレイできるミッションには限定グッズが付属。特にゲーム終了後の会場で行う必要があるミッションは、当日の会場でのみプレイできる内容のため忘れないように注意したいですね。
販売は前売り券のみ。グループチケットの場合も、+3,000円/人の追加料金で希望人数分の購入をすることが可能(購入画面でグループチケット選択後、ミッション付チケットの枚数を選択。グループチケットの枚数を変更しないように注意。合金計額をよく確認するよう推奨します)
また、公式サイトでは、昨年実施された「配役付きチケット」のバージョンアップと表現されていますが、当日のプレイでセリフのある配役になるとは明記されていません。セリフのある配役は、当日の受付で、チームナンバーによって決まっているようでした。
【概要のまとめ、注意が必要に感じたこと】
ココがポイント
《概要のまとめ》
・全プレイヤーが物語の登場人物になる参加型の劇場イベントに近い演出
・音声データを情報分析する推理系の問題(一般的な謎解き問題の出題なし)
・映画で活躍した共通のキャラクターが登場。特に今回、灰原さんにクローズアップ
・ミッション付きチケットで、ゲームプレイ中や終了後に楽しめる追加要素あり(詳細はこちら)
《注意が必要に感じたこと》
・6人1チーム制、複数人で参加してもチームが分かれてしまう可能性あり
※グループチケット購入すると、1~6人で1テーブルを貸切りにできます
・各チーム毎のテーブル狭く、手荷物は少な目に
※有料クロークあり(東京ミステリーサーカス)
・中学生以下の参加は18歳以上の保護者同伴が必要(未就学児は無料)
※保護者の方もプレイヤーとしてチケット必要
脱出成功率(難易度)や謎解きの特徴は?
特徴「音声データを情報分析する推理問題、一般的な謎解き問題無し」
今回の問題は、全編が推理系の内容になっており、一般的なクイズやなぞなぞ、迷路やパズルといった問題は一切出題されませんでした。
今回は特に「音声データ」を聞きながら推理をしていく事が中心になりました。データには、人の声はもちろん、足音や物音といったあらゆる音が含まれており、音の特徴を掴んで何が起こっているのか想像する必要がある、情報分析に特化した内容でした。
音声データを扱う際、今回のオリジナル設定である「音によるセキュリティシステム」を操作することになりました。これはチームテーブル毎に設置された大型タブレット(人数分のイヤホンあり)を操作する内容で、序盤のステップでしっかり操作方法に慣れることが攻略のポイントとなりました。
音声データの数も多く、皆で聞くのに時間がかかるため、焦りが生じやすかったです。が、決して問題数は多くなく、必要となるデータも問題ごとに限られています。落ち着いて取組むようにしたいですね。また、音声データを聞きながら、気になったことはどんどんメモをとると効率的でした。後で聞き返すのは、時間がかかってしまいますよね。
推理が上手くいかない場合は、公式ヒントも用意されています(チームテーブル毎にヒント冊子設置)。ヒントは問題ごと、段階式に用意され必要な部分だけ閲覧することが可。活用することで、最終問題までたどり着けるようにゲームバランスが調整されています。どうしても先に進めない場合は、活用した方がゲーム全体が楽しめますね。但し、チームメンバー全員の了承を得てから、利用するようにしたいですね。
最後の謎「多くの音声データ中から、核心を突くデータを見極めろ」
終盤の展開でも、音声データを用いた推理問題であることに変わりはありませんでしたが、対象となるデータの数が多く混乱を招くような側面がありました。
攻略に必要となるスキルは以下の2点だったと思います。
・時間軸に沿って事象を整理し、必要な音声データを取捨選択する思考力
・会話や物音の違和感から真相を推察する洞察力
※洞察力:物事の本質を見抜く力。観察対象の表面的な部分だけではなく、見えていない部分を見抜く力
音だけを頼りにしているからこそ生じている思い込みや勘違い、目に見えていないけれど、その空間で実際に何が起きているのか。そういった事を音声データの些細な変化や違和感から気がつくことができるか…まさに推理系問題の王道をいく難問でした。
【脱出成功率(難易度)、攻略コツまとめ】
ココがポイント
《脱出成功率、難易度》
・脱出成功率:20%(東京ミステリーサーカス、2023年7月9日筆者参加回の結果,
25チーム中5チーム成功)
・高校生以上のプレイが推奨される難しさ
《攻略のコツまとめ》
・一般的なクイズやなぞなぞの出題無し。音声データを聞いて情報分析・推理しよう
・情報分析では、音の特徴をつかんで何が起こっているのか想像しよう
・気になった事はどんどんメモしよう(聞き返す手間や時間を少なくしよう)
・終盤は時間軸に沿って事象を整理し、必要な音声データを取捨選択しよう
・会話や物音の些細な違和感へ敏感になり、真相を推察する洞察力を持とう
実際に遊んでみたリアルな感想
感想「新しい試みがチャレンジされ続けるコナン脱出、アニメ世界に没入する体験」
参加者全員が、物語の登場人物として配役が存在する設定は、昨年行われた「追憶のハロウィンからの脱出」から引き継がれている内容。細かい変更点はあるものの、昨年2022年のコナン脱出に参加された方であれば、似た雰囲気であると思って間違いありません。
会場MCやスタッフさん、プレイヤーが一体となって物語を紡いでいく「観覧者も演技に参加する劇場タイプ」の演出方法は、高い臨場感を作り、目の前で起っている事件や迫る危機にリアリティが増しました。推理系イベントとの相性がバツグンに良いですよね。
昨年は物語の演出上、コナンくんとの絡みが少ない内容でしたが、今年はコナンくんの登場シーンもたっぷり。映画で活躍した灰原さんとのかけ合いも多く、名探偵コナンのアニメ世界を存分に味わえる内容でした。
一方、コナンくんの登場シーンや、参加プレイヤーによるセリフが増えた分、演出に鳥肌が立つような瞬間は少なくなったかなあと感じました。作り込まれた演出・構成から、会場におけるその場のノリ次第になった印象。セリフを言うことになったプレイヤーは是非、物語の登場人物になりきって、会場を盛り上げたいですね。
一般的な謎解きは出題されず、推理系の問題になりますが、音声データを利用した情報分析は、ゲーム感覚で直感的に操作できるシステムになっており、推理が苦手な人も皆でワイワイ楽しめる内容だったと思います。毎年コナン脱出では新しいことに挑戦する試みが続いていますが、今年も制作側の意気込みが伝わる完成度の高さでした。
ミッション付チケットの購入で、コナン脱出を隅々まで遊び尽くすのも良し、他では遊べない新感覚の推理系イベントとして楽しむのも良し、日常を忘れて名探偵コナンの世界に没入するのも良し。様々なニーズに応えた、幅広い層が楽しめるリアル脱出ゲームでした。
それでは、最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!