【書籍レビュー】5分間リアル脱出ゲーム「ディズニーMagicalEscapeBook」（ネタバレ無し）

５分間リアル脱出ゲーム「DisneyMagicalEscapeBook」SCRAP出版

－はじめに－
今回のブログ記事は「5分間リアル脱出ゲーム」とディズニーがコラボした謎解き本「Disney Magical Escape Book」を実際に遊んでみたレビューです。

体験型謎解きイベント「リアル脱出ゲーム」を自宅で手軽に追体験できる書籍「5分間リアル脱出ゲーム」シリーズ。謎解きもディズニーも両方好き！　という方にはたまらない夢のような共演が実現しました。

実際にディズニー作品とコラボしたリアル脱出ゲームが開催されたら、こんな感じになるのだろうなあと思える内容で、時間を忘れて楽しむことができました。

リアルな感想、難易度や所要時間の目安など、購入を検討されている人に役立つ情報はもちろん、既にプレイされた方は振り返りにも楽しい内容です。

下の目次を眺めるだけでも、要点がわかりますので、気になる項目があればチェックしてみてくださいね。

5分間リアル脱出ゲーム「ディズニーMagicalEscapeBook」概要

映画ワンシーン振り返るような謎解き

9人のディズニーキャラクター達がそれぞれに活躍する9つのストーリー&謎解きが収録されています。

ミッキー、101匹わんちゃん、くまのプーさん、ダンボ、アラジン、ライオン・キング、ズートピア、リトルマーメイドなどなど。101匹わんちゃんのようにクラシカルなものから、ズートピアのように比較的新しい作品まで。ダンボのように、実写版で新作の出ているものもありますね。

謎解きと一緒に語られるストーリーは、それ単体で楽しむというよりは「原作を知っている」からこそ楽しめるエピソードかなあと感じました。原作映画のワンシーンや、エピソードを思い出しながら、作品世界観に浸って謎解きを行えました。

もちろん原作を見たことがなかったとしても、リアル脱出ゲームファンであれば、楽しめる工夫が随所にされています。

リアル脱出ゲームもディズニーも両方大好き！　という方に特におすすめできる謎解き本でした。

 

親切設計のヒント＆豊富なジャンルの謎解き

5分間リアル脱出ゲームということで、1つのストーリーを5分間でクリアするのが目標とされていますが、どのストーリーも5分以内クリアは難しいと思います。私は最短で10分。難易度の高いものは、30分くらいかかってしまいました。

そんな一筋縄ではいかない問題も多いですが、全ての謎解きには「ヒント」が巻末に用意されています。一度に正解がわかってしまうようなヒントではなく、考えるステップに応じて段階的になっています。結果、自分で考え・解決の糸口をつかむ機会が多くなり、謎解き力が向上したように思います。まどろっこしいのが苦手な人は、すぐ「答え」にアクセスすることも可能です。

あらゆるジャンルの謎解きが、リアル脱出ゲームの進行にならって出題されていきます。リアル脱出ゲームの練習にもちょうどいいなあと思いました。

全9章クリア後に待ち受ける最終問題

リアル脱出ゲームの練習にちょうどいい内容ではありますが、もちろんこの本単体としてのエンターテイメント性もとても高いです。

1つ1つの章で描かれるディスニー作品のエピソードの楽しさもありますが、全9章をクリアした人だけがチャレンジできる最終問題は、この本の真価と言っても過言ではないほど、「サプライズを感じることの出来る謎解き」になっています。

詳細は、後述「最終問題」についての項も、ご覧ください。

５分間リアル脱出ゲーム「DisneyMagicalEscapeBook」SCRAP出版 

9つのテーマの違う謎解き、特徴レビュー

ミッキー&フレンズ

まずは小手調べ的な内容。ミッキーを中心に、ミニー、ドナルド、デイジーなどおなじみのキャラクターが登場します。映画のワンシーンではなく、ミッキーとミニーの夫婦ゲンカ（？）と仲直りを優しいタッチで描いたオリジナルストーリーでした。

謎解き自体は易しめですが、リアル脱出ゲームっぽい出題方法や答え方に、慣れていない人は若干の違和感があるかもしれません。素晴しい謎解きの世界が先に広がっているので、ぜひ諦めずにプレイしていただきたいです。

101匹わんちゃん

誘拐され毛皮にされてしまいそうになる「わんちゃん」達の脱走劇です。ディズニー映画の中ではクラシックな作品のため、101匹わんちゃんに馴染みのない人もいるかもしれませんね。

謎解きとしては、オーソドックスなルート問題がメインでした。マップ上で脱出ルートを検討、鍵がないと開かない扉があるので、先に鍵をとってから･･･とスタートからゴールまでのルートを条件付きで探すものです。似たような形式は、リアル脱出ゲームの公演タイプでもよく出題されますね。

くまのプーさん

2011年に公開された比較的新しいアニメ映画が、ストーリーのベースになっていました。映画は少し難解なメタ作品（作中人物が作中であることを認識している）で、今回のストーリーでも、空から降ってきた「本の文字（アルファベット）」を足場にして、落とし穴から脱出するというシュールな展開です。映画を知らないと、ちょっと困惑しますね。

最後の謎には「入口から出口まで、通れるマスを一度ずつ通る」といったひと筆書迷路が出て来ますが、単純なものではなく、若干のひらめきが必要とされる良問でした。

この3章あたりから、次第に「ひねりのある問題」が多くなってきました。

ダンボ（←オススメ謎解き）

耳の大きな空飛ぶゾウさん。あまりにも有名なディズニーキャラクターですが、ベースとなるアニメ映画はとても古いため、2019年に公開された実写版で初めてストーリーを知った方も多いのではないでしょうか。今回のストーリーは、行方不明になったダンボをサーカス団の仲間のネズミ「ティモシー」が探しに駆け回る内容です。

個人的に、9つの謎解きの中で一番「やられた！」とテンションの上がった問題でした。行方不明のダンボを探してMAP上を条件にしたがって探索（ルート問題）ですが、リアル脱出ゲームの最後の謎として出題されてもおかしくない「ひねりの効いた」問題でした。

美女と野獣

日本でディズニープリンセスと言えば「シンデレラ」が一番最初に思い浮かびますが、海外で最も有名なプリンセスは、この「美女と野獣」に出てくる「ベル」さんですね。実写映画でもおなじみの燭台のキャラ「ルミエール」さんや「ポット婦人」など登場し、不気味な部屋に閉じ込められはしながらも、どこか賑やかな雰囲気の謎解きです。

謎解きは、中盤にきて直球オーソドックスな内容でした。ロジック問題（同じ色の本は隣り合わないといった条件に従って棚に本を並べるなど）に一番時間がかかるかなあと思います。

アラジン

舞台は、魔法のランプが封印された洞窟。映画で、ランプの精ジーニーとアラジンが出会うシーンがベースになっています。ジャスミンの登場がないのは少し残念ですね。ディズニー版「魔法のランプ」らしい、ジーニーの破天荒ぶりが楽しいエピソードでした。

謎解きも、美女と野獣に引き続きオーソドックスな内容。若干、注意力や観察力が必要となる問題でした。

ライオン・キング

父を亡くしたシンバが追われるようにプライドロックを後にし、ジャングルで出会ったミーアキャットのティモン、イボイノシシのプンバァと暮らす映画のエピソードがベースになっています。父の死を自分の責任と感じるシンバが、立ち直るきっかけとなる前日譚となっていました。

謎解きには暗号解読が必要です。通勤・通学でプレイされる場合は、手元に筆記用具が必須かなと思います。

ズートピア（←おすすめ難問）

ディズニーのそうそうたる人気者たちと並んで、比較的新しい「ズートピア」が選ばれたのはちょっと嬉しかったです。ストーリーは、映画の後日譚的な位置づけでしょうか。ニックが警官になる前のちょっとした隙間期間のエピソードっぽいです。

行方のわからなくなってしまったニックをジョディが街中を捜索します。この章のエンディングでは2人のいちゃいちゃが見られるので、ファンの方は必見です！

謎解きとしては、ロジック問題とルート問題が絶妙にミックスされた良問でした。9つの謎解きの中でも1、2位を争う難しさではないでしょうか。謎解きになれた人でも、5分で解くのはだいぶ厳しいと思います。

リトル・マーメイド

9つの謎解き、その最後を飾るのは人魚姫のアリエルさんです。海底の洞窟の中、不思議な扉の向こうに閉じ込められてしまった仲間の人魚を救うお話です。映画のエピソードではなく、外伝的な内容でした。

謎解きの難易度も高いのですが、特にコツコツとやり遂げる持久力が試されます。謎解きのジャンルは「スケルトン」と呼ばれるものがメイン。複数のワードをクロスワードパズルのようにして、マス目に当てはめていきます。難しくさせているのは、ワードの文字数が全て４文字で、文字数で当たりをつけられないことです。おまけに一筋縄ではいかないトリックもしかけられ、9つ最後の謎解きにふさわしい内容でした。

リトル・マーメイドの悪者と言えば、あの魔女さんですが･･･。彼女の仕掛けた罠はなかなかヘビーでした。

最終問題（常識を覆すこの本のメイン）

9章全ての謎解きを終えると、その9つの答えを用いた「最終問題」に挑むことができます。

この最終問題、ただのオマケと思ったらいけません。「DisneyMagicalEscapeBook」の本題ともいうべき位置づけです。問題文こそ見開き半ページしかありませんが、この謎解きのために、全9章の謎解きに挑戦してきたといっても過言ではありません。

9つの答えを用いて暗号を解くのは最初の一歩に過ぎません。現れた「新たな謎」に度肝を抜かれることでしょう。最終解答までの道のりは、常識を覆すのが好きなリアル脱出ゲームならではの展開をします。

この最終問題だけは、ヒントがWEB上になります。但し、20年7月31日まではヒントを閲覧することができません。どうしても解けない方は、もう一度最初から本を読み直してみましょう。

9つの謎を解き、ぜひ多くの方に、最終問題へ仕掛けられた「ワクワク」を体験してもらえたらな～と思います！

５分間リアル脱出ゲーム「DisneyMagicalEscapeBook」SCRAP出版 

実際に遊んでみたリアルな感想

「リアル脱出ゲームの進行にならったディズニー謎解き」

リアル脱出ゲームが好きな人の中には、ディズニーも好き（特にテーマパーク）という方が多いように思います。かくいう私も大好きで、以前は月1回くらいのペースでパークへ遊びに行っている時期もありました。

そんなディズニーもリアル脱出ゲームも大好き！　という方には手放しでオススメできる謎解き本だったと思います。

一方、ディスニーは好きだけど、最近流行りの謎解き本を買ってみようかな？　と初めて手にされた方は、リアル脱出ゲームらしい謎の出題方法や、コアな問題に戸惑いを覚えるかもしれません。できるだけ多くの人に手にとって貰う「窓口の広さ」と、コアなファンにも納得してもらう「リアル脱出ゲームらしさ」のバランスは難しいものですね。

リアル脱出ゲームを書籍化しようとの試みは、他にもゲームブックシリーズがあります。こちらはクリアするのに１週間前後かかることもある大作で、書籍にできる可能性を最大限引き出したやり応え十分の謎解きになっています。5分間リアル脱出ゲーム本は、そのエッセンスがちりばめられ、もっと手軽になったものとも言えます。

書籍の紹介には「通勤・通学の時間や、家事の合間で」とありますが、確かにどの章もちょっとした隙間時間でクリアできます。例えば、パークでの行列待ち時間に解くのも、ディズニー尽くしの世界観に浸れていいですね。

ディズニー謎解きと言えば、もう何年も前にディズニーホテルに謎が仕掛けられたり（宿泊者限定）、朝のパークで謎解きイベントがありましたが、それらにSCRAPさんが関わっていたと思います。久しぶりのディズニーコラボで、気合いの感じられる、素晴しい内容の謎解き本でした。

それでは最後までブログ記事を読んでいただき、ありがとうございました！　この記事が参考になりましたら、下の各ＳＮＳボタンより紹介して頂けると幸いです。

５分間リアル脱出ゲーム「DisneyMagicalEscapeBook」SCRAP出版