こんな方におすすめ
- コーヒーでも飲みながら、好きな時間におうちで謎解き
- 日常をちょっとだけ忘れて物語の世界に浸りたい
- 本格的なギミック(仕掛け)にびっくりしたい
-はじめに-
最近、残念ながら外出がしにくい状況が続いていますね。
管理人は脱出ゲームの練習もかねて、謎解き本で週末を過ごそうと、いろいろ読み進めています。
今回紹介する「脱出ゲームブックシリーズ」は、謎解きとゲームブックが融合したストーリも楽しめてしまう謎解き本です。制作はリアル脱出ゲームで有名なSCRAPさんです。
謎が謎を呼ぶ展開に目が離せなくなったり、思わぬどんでん返しにハラハラどきどきしたり。日常をちょっとだけ忘れられる本気でおすすめの4冊をレビューします。
『十人の憂鬱な容疑者』
特徴、難易度、ボリュームなど
まとめ
特徴:殺人事件の起きた館、濃厚なミステリー
難易度 :★★★★★★★★☆☆(10段階)
ボリューム :★★★★★★★☆☆☆(10段階)
ストーリー性:★★★★★★★★☆☆(10段階)
実際に要した時間:5日間(1日2~3時間)
練習になる力:推理力、分析力、ひらめき力
価格:1,800円(税別)
付録:捜査シート&記憶シート、マップ、アンサーシート×5枚、切り抜き式アイテム×3種
モザイク柄のように断片的に埋められていく記憶
2つの殺人事件の容疑者にされてしまう主人公。
舞台は、豪雨のために半ば閉じ込められてしまった古びた洋館。
記憶を無くした主人公は自身の容疑を晴らすために、探偵の男とともに捜査を開始する。容疑者は館の住人やパーティーに招かれていた客達、10人のメンバー。事件の真相と館の秘密を解き明かしたとき、物語は世界を揺るがす大きな陰謀へと展開していく――。
暗く陰鬱な雰囲気で始まりますが、相棒役の探偵さんのひょうひょうとしたキャラクターにホッとするシーンもあったりして、読者に先をどんどん読ませる力を感じました。
無くした記憶を徐々に取り戻すシステムが、このゲームブックのストーリー上の謎の中心になります。モザイク柄のように断片的に埋められていく記憶の中に、見え隠れするものは何なのか・・・。真犯人を導く状況証拠や、館に仕掛けられたトリックをあばく鍵は「記憶」の中にあります。
公演ルーム型の同名のリアル脱出ゲームがありますが、内容は別物です。どちらか一方を既にプレイ済みでも両方共に問題なく楽しめます。
『人狼村からの脱出』
特徴、難易度、ボリュームなど
まとめ
特徴:毎夜誰かが殺される、5日以内に村人に扮した人狼をつきとめろ!
難易度 :★★★★★★☆☆☆☆(10段階)
ボリューム :★★★★★★★☆☆☆(10段階)
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆(10段階)
実際に要した時間:6日間(1日2~3時間)
練習になる力:ひらめき力、観察力、推理力
価格:1,600円(税別)
付録:人狼村マップ、容疑者リスト、捜査シート、新聞、しおり
リアル脱出ゲームの原点を秀逸なゲームブックに
リアル脱出ゲームの原点とも言われる公演を題材にした「脱出ゲームブックシリーズ」の第1作目です。
村人16人の中に人狼がいる・・・珍妙な発明をする博士、からくりだらけの時計塔の管理人、花屋の娘、曲芸師、宿屋の女主人、怪しい宝石商、などなど個性的な村人達。実際の人狼ゲームのように占い師や狂人、怪盗まで現れての大騒ぎに。人狼伝説を目くらますように平行して起きる様々な事件。だが毎夜村人は殺されていく。果たして誰が人狼なのか。毎日発行される村の新聞記事に、導かれるように捜査をすすめていく先にあるものは・・・。
後の「脱出ゲームブックシリーズ」は全てこの本を基本にしているくらい、非常によく出来たシステムです。5日間という時間経過がゲームブック上で再現されています。もちろん謎解きも一筋縄ではいきませんでした。デジタルではなかなか味わえないアナログキットの良さを生かしたものばかりで、面白いのはもちろんですが、公演型リアル脱出ゲームの練習になりました。
公演ホール、ルーム型の同名のリアル脱出ゲームやスマホアプリゲームがありますが、内容はそれぞれ全て違います。既にプレイ済みのものがあっても問題なく楽しめます。
『ふたご島からの脱出』
特徴、難易度、ボリュームなど
まとめ
特徴:「少年の書」「少女の書」2冊の本をザッピング!
難易度 :★★★★★☆☆☆☆☆(10段階)
ボリューム :★★★★★★★★☆☆(10段階)
ストーリー性:★★★★★★★☆☆☆(10段階)
実際に要した時間:4日間(1日2~3時間)
練習になる力:読解力、注意力、ひらめき力
価格:2,000円(税別)
付録:アドベンチャーシート、記録シート、マップ×6枚、しおり×2枚
「ふたご島」の不吉な気配に立ち向かっていく少年・少女
航海中に異様な竜巻に巻き込まれ、気が付くと二つ並んだ小さな島「ふたご島」に漂着した少年。
燃えさかる炎と血の臭い、不吉な夢から目覚めた少女は、自分が今年の「神の使命」を果たす者に選ばれたことを知る。
ふたご島をそれぞれに旅し始めた2人が、不思議な運命の糸に絡め取られていくストーリーです。
同じ時間軸を「少年の書」「少女の書」と2人の違う角度・視点で、交互に読み進めます。まさかの「本のザッピング」です。視点を変えることで見えてくるものや、片方の行動がもう一方のストーリーで思わぬ波及を及ぼしたりします。すれ違っていく男女の冒険に、やきもきしたり、はらはらしっぱなしでした。
謎解きも2冊の本を存分に使った「ふたご」をテーマにしたならではのものが多く、印象に残りました。
『聡明なスパイは耳がいい』
特徴、難易度、ボリュームなど
まとめ
特徴:耳を澄まして謎を解く、スパイアクション!
難易度 :★★★★★☆☆☆☆☆(10段階)
ボリューム :★★★★★★★☆☆☆(10段階)
ストーリー性:★★★★★★☆☆☆☆(10段階)
実際に要した時間:4日間(1日2~3時間)
練習になる力:聴力(分析力)、注意力、パズル解読力
価格:1,800円(税別)
付録:CD、スパイシート、新聞×5枚、しおり、ヒント(袋綴じ)
付属CDの音源を分析して謎を解く
脱出ゲームブックシリーズの異色作。付属CDの音源が、謎を解くための鍵となります。
敵国に侵入したスパイのあなた。目的は「大量破壊兵器の開発データの奪取」
果たして誰が味方で、誰が敵なのか。背後に忍び寄る暗殺者、裏切り、息もつかせぬアクションシーンと、スリリングな展開はまるでスパイ映画を見ているようでした。
音を利用した謎解きも個性的です。敵の足音を聞き分けるのに何度もCDトラックをリピート再生して分析するなんてことも。自分がドラマに出てくる科学捜査班の一員になったようで新鮮でした。
そして、何とくるりが歌う主題歌付き。世界観がイメージ出来て、とてもカッコよかったです。
おわりに 素晴しい読書体験を
子供の頃、ゲームブックへだいぶのめり込んで読みふけりましたが、今回レビューした4冊はどれもあの頃の興奮を思い出しながら、ゲームシステムとしては新鮮で、それぞれに特徴のあるものばかりでした。
非日常を感じることができる物語世界にどっぷりと浸りながら、サプライズに満ちた謎解きに挑むことが出来ます。先が気になってついつい夜更かししてしまったりするのも、読書ならではの体験ですね。
みなさんの謎解きや読書体験が、素晴しいものになりますように。
【ゲームブックレビュー】魔王城脱出シリーズ「滅びゆく魔法書からの脱出」
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