攻略データ
プログラム名 | 鉄道探偵と氷点下2°Cの幻影(タカラッシュブラックレーベル) |
開催期間 | 2023年12月15日(金) ~ 2024年03月17日(日) |
謎解きスタイル | 周遊型(電車・鉄道系)※プレイ人数1人~ |
難易度 | ★★★★★★★☆☆☆(10段階評価) |
移動距離 | 京王編:新宿駅より、電車片道40~50分範囲 都営編:新宿駅より、電車片道35~45分範囲 エクストラ編:移動なし ※上記続けてプレイする為の移動+60分前後(詳細、記事参照) |
実際に要した時間 | 京王編:3.5時間 都営編:3.5時間 エクストラ編:30分 (公式の想定時間 公表なし) |
特に必要となる力 | 読解力、注意力、観察力、推理力、ひらめき力 |
必要なもの | 筆記具、スマホやタブレット(インターネット使用) ※バインダーあると便利 |
キット料金(税込) | 無料(別途、交通費) 《冊子配布場所》 ・京王線・井の頭線の各駅 ・都営地下鉄の各駅(押上・目黒・白金台・白金高輪を除く) ・日暮里・舎人ライナー「日暮里駅」および「西日暮里駅」 ※交通費について(一日乗車券あり) ※参加冊子配布について |
公式情報 | 鉄道探偵と氷点下2°Cの幻影 - HUNTERS VILLAGE |
※スマートフォンでご覧の方は、攻略データを左へスライドできます
※ご注意:難易度、所要時間は筆者の主観になります。お出かけ前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください
※公演のスタイルについては「リアル脱出ゲーム&体験型 謎解きの種類」をご参考ください
注目のポイント
- 京王・井の頭線、都営地下鉄を巡る、人気の謎解きシリーズ第9弾
- 京王編、都営編、エクストラ編の大ボリューム、推理要素を取り入れた謎解き
- 参加冊子無料、一日乗車券の利用で交通費もお得にプレイ
-はじめに-
今回の記事は、京王・井の頭線と都営地下鉄を巡る謎解き「鉄道探偵と氷点下2℃の幻影」にチャレンジした攻略レビューをお届けします。
鉄道探偵は、問題に推理要素を取り入れた人気の謎解きシリーズ。第9弾となる今回は、参加冊子が無料とは思えないクオリティの高さはそのままに、よりドラマチックになった鮮烈なストーリーも印象に残りました。
記事では、所要時間や難易度といった攻略に役立つデータや、各編で傾向の異なる謎解き問題の特徴や見所など、気になる情報を徹底紹介。写真も多く掲載し、プレイイメージがしやすい内容です。
下の目次を眺めるだけでも、要点がわかりますので、気になる項目があればチェックしてみてくださいね。
【謎解き一覧】東京周辺の街歩き系 目的別まとめ
東京周辺の街歩き系・周遊謎を10年間で100以上遊んでみて「これは面白かった!」と太鼓判付きのものを紹介したレビュー記事です。目的別に「鉄道・電車沿線」「人気の商店街」「アミューズメントスポット周辺」など、今遊べるものを見やすくまとめました。写真も多く掲載し、参加検討に役立つプレイイメージをしやすい内容です。
続きを見る
鉄道探偵2024年「鉄道探偵と氷点下2℃の幻影」(ネタバレ無し)の概要
概要「京王編、都営編、今は亡き写真家の想いを辿るストーリー」
2023年冬、1年前に指輪の事件を解決した後、鉄道探偵Kと助手のJは引き続き一緒に仕事をしていた。
2人は相棒のような関係だが、依頼をKがこなし、Jは雑務や電話番をする役割は相変わらずだった。
年が明け、多忙な日々が少し落ち着いたある日。
鉄道探偵J「今日は電車に乗ってぶらぶらしてみよう」
助手J「今日は時間があるからいつもはできない掃除をしよう」
これから始まるのは、そんな2人に舞い込んだ、1人の写真家にまつわる物語である。
「鉄道探偵と氷点下2℃の幻影」の導入ストーリーは上のようになっています(公式サイト掲載ストーリーを要約)
今回の鉄道探偵は、過去シリーズと同様に、「京王編」「都営編」、2つのコースをクリアした人が挑戦できる「エクストラ編」で構成されていました。
京王編:鉄道探偵Kの視点、京王・井の頭線沿線が舞台
都営編:助手Jの視点、都営地下鉄沿線が舞台
エクストラ編:上記2編が結びつくストーリー、現地探索なし
京王編、都営編とも謎を解くと向かうべき駅名がわかり、訪れた駅周辺の探索で得た情報(イベント用掲示物)から次の問題を解く電車・鉄道系謎解きのオーソドックスな展開。
2編はどちらから始めても支障ありませんが、問題傾向に若干違いがあり、「論理的に考える思考力や洞察力」が必要になる京王編と、「直感やひらめき寄りの問題が多め」の「都営編」と変化に富んだ内容になっていました(各編の詳細は、後述をご覧ください)
エクストラ編は、京王編、都営編のストーリーが結びつく、最終問題的な位置づけ。プレイ時間は30分前後と短めで、現地探索の必要無く、問題冊子を折ったり重ねたりしながら仕掛けられたギミック(トリック)を解き明かす作業系の内容でした。
所要時間の目安、探索エリア(屋内外の割合など)
《実際にかかった所要時間》
・京王編:3.5時間
・都営編:3.5時間
・エクストラ編:30分
(公式の想定時間 公表なし)
※2編を続けてプレイする場合
都営編⇔京王編の移動:60分前後
《プレイ可能時間》
・始発~終電まで
私は「京王編→都営編→エクストラ編」の順番でプレイし、クリアまでの総所要時間は「8.5時間」でした。途中の休憩時間は除いています。
問題は冊子に記載された順番通りに解いていく必要があり、2編を平行してプレイすることはできない構成でした。
2編続けてプレイする場合、コース間の移動に60分前後かかりました(京王編の最終駅~都営編の最初の駅。逆の場合も、同程度かかります)。前回の鉄道探偵より、問題量も移動距離も多く、1日で全クリアを目指す場合は、午前中にスタートするのがオススメ。
プレイ可能時間の設定は特に無く、始発~終電までプレイ出来ます。各駅の探索スポットは、駅構内や、改札から徒歩数分の範囲内で、街歩きをする機会はありませんでした。
移動を含めプレイ中はほぼ屋内、又は屋根のある状況で、雨の日もプレイしやすい内容。階段付近には、エレベーターやエスカレーターが設置されている事が多く、足元の悪い状況もありませんでした。
所要時間の目安は、謎解きに慣れている人で1編3~4時間前後、全編8~9時間。謎解きに慣れていない人がヒントを活用しながらのプレイで1編4~5時間前後、全編9~10時間前後になると思います。
参加冊子の配布情報
《参加冊子》
無料
※別途、交通費が必要(一日乗車券あり)
《配布場所》
・京王線・井の頭線の各駅
・都営地下鉄の各駅(押上・目黒・白金台・白金高輪を除く)
・日暮里・舎人ライナー「日暮里駅」および「西日暮里駅」
問題冊子は、京王線や都営地下鉄の各駅のフリーペーパーラック等で無料配布されています。舎人ライナー「日暮里」、「西日暮里」でも配布されていますが、謎解き中にそちらの駅を利用することはありませんでした。過去に用意されていたPDFによるWEBダウンロードは、今回は無いようです。
また、参加冊子には筆記具が付属していないため、持参する必要があります。忘れないようにしたいですね。
交通費の考察(一日乗車券の利用など)
《ゲームプレイにかかる交通費》
京王編:1,253円
都営編:1,706円
※謎解き最初の駅~ゴール駅まで片道の料金、SuicaやPASMO利用した場合
《コース間の移動》
京王編最終駅~都営編最初の駅:587円
都営編最終駅~京王編最初の駅:465円
※直通電車かつ、SuicaやPASMO利用した場合
上記金額は、各コースの探索で訪れる最初の駅からゴール駅までSuicaやPASMOを利用した場合の片道運賃ですが、公式で一日乗車券も案内されています。
京王線・井の頭線一日乗車券
都営まるごときっぷ
※間違い無いよう記載しておりますが、変更の可能性もあるため必ず公式情報もご確認ください
各一日乗車券とも、実際にかかる交通費より安くなるので利用しない手はないですね。自宅との行き帰りを考慮するとさらにお得になるのではないでしょうか。
注意点として、前回開催時より「京王・井の頭線」の一日乗車券が値上げになっていました。また、京王編と都営編を続けてプレイする場合、新宿駅で一日乗車券を買い換える必要があります。直通電車も運行していますが、その場合、新宿駅から最初の駅まで差額の精算が発生します。
クリアで応募できる賞品
「鉄道探偵シリーズ」では、クリアすることで応募できる賞品への抽選も魅力のひとつです。
各鉄道会社の限定グッズや、ギフトカードなど。各コースのクリア状況によって応募できる賞品の範囲が変わります(当選は、賞品の発送をもって連絡)
応募には、WEB上でアンケート回答と連絡先などの入力が必要でした。応募は一度のみ、1コース終了後に応募してしまうと追加応募はできなくなります。3コースプレイ予定の人は全て終了してから応募する必要がありますね。
また、ハンターズビレッジ会員の方は、ハンターポイントの獲得対象にもなっています。但し、京王編、都営編共に発見報告をゴール駅周辺で行う必要がありました(スマホGPS機能使用)。2コース続けてプレイしている場合、報告を後回しにしてしまいがちですが、注意したいですね。
ハンターズビレッジのポイント制については次のリンク先をご覧ください
公式情報:ハンターポイントとは
【概要のまとめ、注意が必要に感じたこと】
ココがポイント
《概要のまとめ》
・京王・井の頭線、都営地下鉄沿線を巡る推理系の謎解き(問題冊子無料)
・沿線ごとに内容の異なる2つのコース、2コースクリア者が挑めるエクストラ編
・一日乗車券の利用で、交通費もお得にプレイできる(詳細はこちら)
《注意が必要に感じたこと》
・筆記具、スマホやタブレットなどWEB端末が必須
・続けて2コースプレイ時、コース間移動で60分前後
(新宿駅で一日乗車券の買い換えも必要)
・ハンターポイントの獲得は現地報告(GPS)が必要(詳細こちら)
※エクストラ編のポイント獲得はどこでも可
・折りたたみ式バインダーがあると便利
【PR】
各編の特徴や問題の傾向は?
京王編「論理的に考える問題多め、真実を見抜く洞察力」
所要時間の目安 | 3.5~4.5時間 |
難易度(10段階) | ★★★★★★★☆☆☆ |
問題の傾向 | 情報分析や推論など思考系の問題、洞察力が必要な問題 |
ストーリー概要 | 鉄道探偵K 目線のお話。 写真家の男と共に、彼のライバルだった「今は亡き写真家」の生前の痕跡を辿る |
京王編と都営編共に、難易度もボリュームも同程度でしたが、問題傾向が異なりました。京王編では論理的に考える思考力を要する問題が多かった印象です。
タイムテーブルを用いて情報を整理したり、物を動かした時の変化を推測するような内容です。思考系の問題が苦手な方は、若干手こずるかもしれません。
また、終盤は推理要素があり、わずかな手がかりから物事の本質を見抜いて、見えていない部分を解き明かす「洞察力」も必要になりました。手がかりを見落とすと、間違った駅に導かれてしまう可能性もあります。私も間違った駅を訪れ、20分程タイムロスが生じました。慎重に問題を解きたいですね。
攻略のコツとして、駅に到着したら次の電車の発着時刻を確認しておくのがオススメ。京王線は西に向かえば向かうほど、次第に発着本数が少なくなっていきました。特急や快速の通過待ちも多いです。時には20分以上待たされることもあるため、次の列車時刻を目標に探索を行うと、効率的なプレイになりました。
どうしても解けない問題がある場合は、公式ヒントも用意されています(問題冊子裏面にQRコード記載)ヒント閲覧は、ハンターズビレッジの無料会員登録が必要で、獲得ハンターポイントが半減してしまいます。ポイントを集めている方は、注意が必要ですね。
ハンターズビレッジのポイント制については次のリンク先をご覧ください
公式情報:ハンターポイントとは
都営編「直感やひらめき寄りの問題多め、視点を変える発想力」
所要時間の目安 | 3.5~4.5時間 |
難易度(10段階) | ★★★★★★★☆☆☆ |
問題の傾向 | 直感やひらめきで解き明かす問題多め |
ストーリー概要 | 鉄道探偵の助手J 目線のお話。 今は亡き写真家の娘と共に、父が残した「最後の写真」を探す |
都営編は、京王編と問題の難易度やボリュームは同じくらいでしたが、直感やひらめき系の謎解き問題が多かった印象です。
一般的なクイズやとんちを効かしたなぞなぞ、パズル要素のある問題など、これぞ「謎解き」と思える内容でした。
京王編と比べて推理要素は少なく、終盤で「ひらめき」系の謎解きが連続しました。今までの問題も総合的に振り返り、問題そのものに仕掛けられたギミックを見抜く内容で、謎解きの醍醐味が強く感じられました。
また、都営編では、都営地下鉄の複雑な路線図を睨みながら、乗換駅を考慮した自分なりの移動ルートを考える面白みがありました。地下鉄の風景は一見簡素に思えますが、ホームや構内の壁にアートやデザインが施されている駅もあり、目を向けてみるのも楽しかったです。
エクストラ編「現地探索無し、冊子のギミックを紐解く」
所要時間の目安 | 30分前後 |
難易度(10段階) | ★★★★★★☆☆☆☆ |
問題の傾向 | 直感やひらめきで解き明かす問題多め |
ストーリー概要 | 鉄道探偵Kと助手J、2人が解決した依頼が結びつくストーリー。 今は亡き写真家の意思を受け継いだ依頼人たちの未来が描かれる |
エクストラ編は、前2編のクリア後に出題される「最終問題」といった位置づけ。現地探索の必要もなく、どこででも解くことが可能(クリア後のハンターポイント獲得も、現地報告の必要なし)。
問題の殆どがWEB上で出題され、指示に従い問題冊子を折ったり重ねたりする作業系の謎解きが主になりました。難易度は特別高く感じませんでしたが、指示内容を理解して、冊子上でどう実現させていくか(用紙の折り方や、絵柄の合わせ方)、想像力や発想力が必要になりました。
また、京王編、都営編のストーリーを把握していないと解けない展開にもなっており、最後に出題されるのに相応しい内容でした。
立ったまま片手間に解くのは困難なため、テーブルや椅子のある場所が必要。自宅に帰って落ち着いて取組むのもオススメです。
【難易度の目安、攻略コツまとめ】
ココがポイント
《難易度の目安》
・謎解きに慣れている人はヒントを見ずにクリアできるレベル(謎解きに慣れていない人も、ヒントを見ながら楽しんでプレイできる難易度)
《攻略のコツまとめ》
・2編続けてプレイする場合、8時間を超える大ボリューム。時間に余裕を持って始めよう
・京王線は特急・快速の通過待ち多い。次の電車時間を確認しながらプレイしよう
・京王編終盤の問題は、間違った駅にミスリードされる可能性あり。慎重に行動しよう
・エクストラ編は、冊子を折ったり重ねたりする作業系問題
→机や椅子のあるスペースを確保しよう(自宅で解くのもオススメ)
実際に遊んでみたリアルな感想
感想「無料と思えないクオリティの高さ健在、情景が浮かぶドラマチックなストーリー」
私は鉄道探偵シリーズのファンで数年前から毎年プレイをしていますが、今回、特に印象に残ったのはドラマチックなストーリーでした。
病気で亡くなった写真家が「残した物」を巡るミステリアス展開や、足を使って調査する泥臭さが感じられる鉄道探偵の描写は、硬派な探偵モノ小説の世界に入り込んだ気分に。
特にエクストラ編は、写真をモチーフにした今回の物語らしい、情景が目に浮かぶ鮮烈な印象のあるストーリーに仕立てられていました。京王編と都営編の2つの物語を結びつけ、さらにその先の未来を垣間見ることが出来る構成で、高い余韻が残りました。今回の「氷点下2℃の幻影」というサブタイトルの意味がエクストラ編をプレイすることでわかる仕掛けでした。
謎解きは、推理要素を含んでいますが、完全な推理問題ではないのが鉄道探偵の特徴ですね。あくまでベースは謎解きであるため、冊子に仕掛けられたギミックに驚いたり、ひらめき問題を解き明かす楽しさもあるハイブリットな内容でした。
街歩きが一切無いため、電車を乗り継ぐだけの味気ないプレイとも思われがちですが、鉄道探偵ならではの楽しみ方もありました。例えば、都営地下鉄のホームから見える壁アートや、京王線の西東京へ向かって開けていく車窓の景色など、普段何気なく見ている風景にも発見が感じられました。
問題冊子が無料にも関わらず、今回も期待を裏切らないクオリティの高さでした。鉄道ファンに限らず、謎解き好き、探偵ものが好きな人にもオススメできる内容です。
それでは、最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました!